平井堅特集

“歌をシェアすること”は文化としても本能としても必要。

美しく繊細な歌声で聴く者をとりこにする平井 堅。歌い手としての地位を確立した現在も、音楽とストイックに対峙 たいじ し、貪欲に新しいスタイルと最良のクオリティーを追求し続けている。3月1日にリリースされる最新シングル「僕の心をつくってよ」では、自身初のアニメ主題歌に挑戦し、新たな境地を見せてくれる。仕事、プライベート、彼が純粋に歌うことを楽しめる時間とは?

interview

Interview

平井堅

自身初のアニメ主題歌は、小さい頃から見ていたドラえもん。

3月1日にシングル「僕の心をつくってよ」がリリースされます。

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』の主題歌ということで、のび太とドラえもんの信頼関係や“かけがえのない2人”の心情をイメージして作りました。

初のアニメ主題歌ですね。

思い返してみれば初めてですね。“アニメの主題歌こないなー”とか、特に意識はしてなかったんですけど(笑)、話を聞いてすごく驚きました。自分で言うのもなんですけど、平井 堅とアニメーションって親和性が低いような感じがしていて。でも、小さい頃からドラえもんの映画をめちゃくちゃ見ていたので、単純にうれしかったです。

思い入れのある作品なんですね。

小学生の時に、『映画ドラえもん のび太の恐竜』と『映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史』を映画館で見て、わんわん泣いたのを覚えています。幼少期の感動体験としてはとてつもない印象がありますね。コロコロコミックもちゃんと定期購読していました。周りのみんなも買って読んでいたし、同世代と分かち合えた最初で最後の作品かもしれないです。

ピアノ1本で曲の良さが際立つ、濃いものが出来上がった。

今回の台本を読んで感じたことは?

ドラえもんの映画は小さい頃から見ていましたけど、通底するテーマとして、2人の信頼関係とか、いかに人を信じるかということがあると思うんです。今回の台本を読んだときも、同じように一貫したテーマ性を感じました。僕自身、日々を生きていて思うことですが、自分の周りの人たちといかに信頼関係を築くかで、その人の幸福度が変わってくる。ドラえもんということで、初めはにぎやかで楽しい楽曲も考えたんですけど、それよりも自分が感じたテーマに沿った曲にしたいなと思いました。

信頼関係というキーワードが出ましたが、今回の曲は聴く人によって思い浮かべる人が違う歌詞だなと思いました。平井さんは歌詞を書くときに具体的にイメージした方がいらっしゃったのでしょうか?

もちろん思い浮かべるのはドラえもんにとってののび太であり、のび太にとってのドラえもんなんですけど、僕自身のことで言えば、家族でも恋人でも友達でも、なくてはならぬ人、自分が大切だと思える近しい人の顔は思い浮かべながら書きました。ただあまり関係性を明確にはしたくないなぁと思っていて、特に誰っていうのは考えなかったですね。

曲作りで苦労した点を教えてください。

タイアップ曲の場合には毎回せめぎ合うところでもあるんですが、オファーしてくださった方の要望と僕自身のやりたいことをいかに合致させるかが難しいんです。当然オファーしてくださった方を満足させなきゃいけないんですけど、そのために自分のクリエイティビティを損なってしまうのはよくないので、誠意を持って自分の要望もきちんとお伝えして。ドラえもんの世界観やストーリーを邪魔せずに、平井 堅のシングルとして自信を持って発表できるものにしたいと思って作りました。

完成してみていかがですか?

いろいろ足し算せずにほぼピアノ1本で作ったので、曲の良さが際立っているんじゃないかと思います。映画の主題歌としてはちょっと暗いかなという懸念もあるんですけど、歌詞もアレンジも自分のやりたいことを貫くことができて、濃いものが出来上がったと思います。

僕はベストな状態を作って皆さんに歌を届けるだけ。

4月には東京と大阪でスペシャルライブが開催されますね。テーマは決まっているんですか?

まだ何も決まっていなくて、リハーサルもこれからなんですよ。実は、テーマとかを決めたことがなくて(笑)。人に委ねてみようかなとも思っています。これまでは曲順も含めて全部自分で考えてきたので、自分でも飽きてきちゃうし、自分が決めたルールに自分が縛られてしまうところがあったから。ただ、今までにやったことのない新しい見せ方にトライしてみたいなとは思っています。

今までにないライブ、楽しみです。

そう思っていただけるとうれしいですね。僕はいつも必死で歌って、ちょっとしゃべって、それを見られているだけなので。素敵な衣装、照明や音響をあつらえていただいて、僕はベストな状態で皆さんに歌を届けるのみです。お客さまはだませないですから。音質を見抜かれてしまうし、その音質というのは歌なので。そこをきちんとするためにも前日は飲まないようにしています。もう若くないので、メンテナンスが一番。ちゃんとしないとなって思います。

カラオケは無責任に歌うのがとにかく楽しい。

普段、カラオケには行きますか?

よく行きますよ。最近はカラオケボックスよりも圧倒的にスナックで歌うことが増えました。翌日がそんなに早くない日に、ごはんを食べて、お酒を飲んで、それから行くって感じです。

どんな曲を歌うんですか?

今ヒットしている曲とか、常に新しい曲を歌っていますね。繰り返し歌うような十八番を作らないようにしてるんです。最近は星野 源さんの「恋」を歌いました。ダンスは……ちょっと難しくないですか?全然踊れないです(笑)。

今までのカラオケで印象に残っているエピソードはありますか?

エピソードはたくさんあるんですけど、思い出すのは学生時代。大学の頃かな、好きな人にふられて、KANさんの「君が好き胸が痛い」っていうすごく好きな曲があるんですが、それを歌いながら泣いちゃったことがあって。君のことが好きで好きで仕方がないっていう歌なんですけど。その曲を聴くと今でも当時の恋愛を思い出します。その後、この業界に入って、KANさんにお会いして、ライブで歌ったこともあるんです。

今でもその曲を歌うことはありますか?

うーん、たまにね。

カラオケで、精密採点など得点が出る機能を使うこともありますか?

1回遊びでやったことはあるんですけど、仕事で歌っているときより仕事っぽくて(笑)。カラオケのときくらい音程のことは忘れたいです。ちょっとズレたらピッて指摘されて、腹立ちますよね(笑)。普段は仕事で緊張しながら歌っているから、カラオケでは無責任に歌うのがすごく楽しいんですよ。カラオケは“楽しい”という以外ないですね(笑)。

歌手としてこれからも“シェアできる歌”を作っていく。

今後の活動についても教えていただけますか?

もうこの年になってくるとね、心身ともに健康で過ごせればそれでいいかなって(笑)。仕事は一生懸命やって、楽しく年を取りたいなって思います。30歳くらいのときはもう若くないんだなってたそがれたりもしましたけど、40歳を過ぎたらもういいかなって。老いることが嫌じゃないというか、そんなに悲観的にはとらえていないですね。若さやヴィジュアルで生きてきたわけじゃないから、その年々にあった自分を楽しもうという気持ちです。

何か挑戦してみたいことは?

今年だけに関わらず、行ったことのない国に行きたいなと思っています。これから少しずつ、一生をかけて。迷惑がかからない程度にお休みをいただいて、自分が未開拓の地を旅してみたいですね。特に目的があるわけではないんですよ。あんまり観光とか買い物もしないし。ただその土地の匂いを感じたり、触れたり、食べたりするだけで。

読者へメッセージをお願いします。

人が歌っているのを聴いたり、みんなで一緒に歌ったり、“歌をシェアすること”って文化としても人間の本能としても素敵なことだし、必要なことだと思います。歌手としてこれからも皆さんに歌っていただける曲を頑張って作っていきますので、たまには平井 堅の曲を歌ってみてくださいね!

express掲載写真etc

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Profile

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平井 堅(ヒライケン)

1972年1月17日、大阪府生まれ、三重県育ち。1995年、「Precious Junk」でデビュー。これまでにシングル40枚、オリジナルアルバム9枚をリリース。歌謡曲はもちろんのこと、R&B、POP、ROCK、HIPHOP、HOUSE、JAZZなど多種多様なジャンルに傾倒。数多くのヒット作品を生み、累計3,000万セールスを記録する。4枚のアルバムでミリオンセラーを記録し、男性ソロでは歴代No.1の記録となるなど、記憶と記録に残る活動を続ける。2017年3月1日、『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』の主題歌で、41枚目のシングル「僕の心をつくってよ」がリリースされる。4月には東京・大阪にてSpecial Live『THE STILL LIFE』を開催!!

▼平井堅の最新情報はこちら
http://www.pinups.co.jp/hirai/
http://www.sonymusic.co.jp/artist/KenHirai/

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