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川野夏美

【D-PUSH!インタビュー】幸せの絶頂から突き落とされた女心を、華麗な孔雀の羽に託して歌い上げる川野夏美と、その新曲「孔雀の純情」を作詞された喜多條 忠先生にお話を伺いました。

川野夏美インタビュー

―毎回違うドラマが展開されますが、新曲「孔雀の純情」ではドラマ性が際立っていますね。

最初、「作詞していただいた喜多條先生はなんて悪い人なんだろう!」と思いました。「こんな詞、いい人には絶対書けない!」と(笑)。喜多條先生には、ずっとソロでのシングルを書いていただきたいと思っていたので、やっと念願がかなってすごくうれしいんですけれど、あのきれいな孔雀が自分の羽を一本一本抜くなんて…、痛々し過ぎるじゃないですか。世界で一番幸せだったのに別れが訪れて、あの人とのきらきらした思い出を全部消し去りたいと思って自分で羽を抜いてしまうんです。今までにも失恋の歌はたくさん歌ってきましたが、同じ失恋の歌でも今回は、捨てられたばかりで次への希望がまだないという状況の女性を表現しているので、歌っていて胸が苦しくなるような世界観を感じています。あまり社交的ではない、どちらかというと不器用な女性の歌だと思いますし、自分自身にも重なる部分があるので、よく分かるんです。

―この作品の核心をつかむのは早かったですか?

はい。…いえ、そうでもなかったかな。実は一度レコーディングをやり直しています。最初にレコーディングをしたときは、感情を思い切り出していこう!と思って歌ったので、重くなり過ぎてしまって。ただでさえ詞のインパクトが強いので、ちょっと抑えた方がいいかなということになりまして、感情表現を少し控えて、まろやかになるように心掛けました。それで、ちょうどいい感じになりました。悲しい詞を優しく歌うことで、伝わるものがより明確になったんじゃないかと思っています。

―お気に入りのフレーズはどの部分でしょう。

やはりサビの“瑠璃色(るりいろ) 金色 淋しい羽根は”のところが好きです。歌っていてとても気持ちがいいんです。どなたでも口ずさみやすいと思いますし、気持ちも乗せやすい。喜多條先生の作詞で歌わせていただくのは和田青児さんとのデュエット曲以来で、ソロでは初めてなので、念願がかないました。普段から自分の中の“好き”や“気持ち良い”を見つけて大切にしていますが、この曲にはそんな箇所がたくさんあります。

―見つけることは特技の似顔絵にも通ずるのでしょうか。プロ顔負けの腕前で、その観察眼に驚きました。

ありがとうございます!描かせていただく方のお顔の特徴を観察していると、強調したいところがどんどん見えてきて、デフォルメするのが楽しくなるんです。ご本人にお渡しするときは、怒られないかなとドキドキしますが(笑)、喜んでいただけると本当にうれしくて、また描きたくなります。

―カラオケでこの作品を歌うときのアドバイスをお願いします。

三連のリズムなので、ノッて歌ってほしいと思います。自然と感情が入る歌ですし、ここでこぶしを効かそうとか考えず、テンポを刻むことを意識すれば気持ち良く歌えます。高音は優しく歌って、この女性の気弱さを残した方がいいかもしれません。サビの部分は2回目の“瑠璃色~”を抑え気味に歌うと、後のフレーズが盛り上げやすくなって、よりドラマチックになります。この歌の世界観を感じながら、気持ちのままに歌ってください!

喜多條 忠先生インタビュー

喜多條 忠先生

喜多條 忠(きたじょう まこと)

昭和22年、大阪府生まれ。一般社団法人日本作詩家協会会長。早稲田大学中退後、放送作家を志していたが、レコード会社の人から南 こうせつを紹介され、詞を提供。昭和48年アルバム収録曲の「神田川」で一躍脚光を浴びる。続く「赤ちょうちん」「妹」のヒットで作詞家として独り立ちの決心を固める。主な作品にキャンディーズ「やさしい悪魔」、梓みちよ「メランコリー」、柏原芳恵「ハロー・グッバイ」など多数のヒット曲を手掛けている。昨年、伍代夏子「肱川あらし」で第50回日本作詩大賞受賞。

―「孔雀の純情」のテーマは?

一言で言えば“幸せと悲しみの落差”ですね。“純情”という言葉は、今はあまり使われなくなったけれども、男と女の基本は純情だと思うし、純情がなければ愛は成立しない。愛はやがて変質していって別れがやってくるわけですが、現代人は弱みを見せたがらないから、己の中の純情を隠してしまっているんじゃないかと感じます。そして純情に対して一番遠いイメージの生き物を考えたとき、孔雀の姿がひらめきました。気位が高く白鳥よりも華美なこの鳥が失恋したときの落差、自慢の美しい羽を自ら抜くという惨めさ。この落差を強調したかったんです。きらびやかな羽に象徴される、あの美しい時間は戻ってこないという悲しみ。これが今回の曲のコンセプトでありテーマなんですよ。

―川野さんの印象はいかがですか?

まだ強烈な色が付いていないから将来が楽しみですね。演歌も歌えるし、フォークも歌える。芸の幅が広くて清潔感があって、いろいろな可能性がある人だと思います。

―先生の詞はどの作品も現代的で、いつまでも古びない言葉遣いが特徴的ですが、感性を常にアップデートしていくコツは何でしょう。

私は団塊の世代です。同世代にアピールしようと思うと、まず自分にとって“食い応え”のある歌でなければならないと思っています。文学性がないと自分自身が物足りなく感じるんですね。誰も使っていない言葉で、忘れられないキャッチフレーズを作る努力をした方がいい。私はよく“歌の実感性”ということを言うのですが、歌詞というのは理屈には合わなくても、生活の中でその通りだと実感することがたくさんある。これは歌のヘンなところであり面白いところだと思うのですが、理屈ではない何かに反応してストンと納得がいったりするでしょう?そういう言葉を探し続けているんです。

―川野さんに一言お願いします。

歌のうまさを武器に、ひたむきなイメージをどんどんプッシュしていくべきだと思いますよ。自分の色を前面に出すことを考えて、歌い続けてください。

(取材・文:嵯峨紀子)

オフィシャルサイト

リリース情報

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シングル「孔雀の純情」
日本クラウン
2018.2.21 On Sale
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