認知症*1の原因はさまざまですが、年をとるほどかかりやすいと言われている疾患です。「それなら自分はまだ安心!」と思うかもしれませんが、実は自分では認知症だと気づかずに生活している 「認知症予備軍(MCI/軽度認知症機能障害)」がすでに約400万人もいることを知っていますか。
以前より物忘れが増えた、昔観た映画の名前がどうしても思い出せない、といったことがあれば、あなたも“予備軍”である可能性があります。対策は「年をとってから」ではなく、なるべく早く、「30代40代の若い頃から」するべき。とはいえ、どうすればよいかわからず、後まわしにしている人も多いのではないでしょうか。そこで、すぐにでも取り入れたいのが歌うことによる脳トレの習慣化です。脳を若く保つための脳トレはいろいろありますが、難しく考えず、誰でも気軽に楽しくできる対策のひとつがカラオケやコーラスなどで歌うことなのです!
カラオケで歌うことで、実際に脳は活性化します。東北福祉大学と第一興商の共同研究によれば、記憶や理解にかかわる脳の部位を刺激しているというデータもあり、認知機能については、歌が与える影響が決して少なくありません。また、介護サービスを行うツクイと第一興商の共同研究によると、カラオケのさまざまな効果も証明されています*2。たとえば、歌うことで以前より「声が聞き取りやすくなった」「声が大きくなった」「自分から話すようになった」というような言語やコミュニケーション能力の改善が見られただけでなく、「元気・活気が出る」「集中力が上がる」「明るくなる」「笑顔が増える」といった心理的効果も報告されています。
さらに、「筋力がついて歩行がラクになった」「夜によく眠れるようになった」など、運動機能面や睡眠に関するプラス効果も報告されています。つまり、脳を活性化して若さを保つには、カラオケはうってつけの方法のひとつというわけです。
カラオケやコーラスをはじめ歌うことのよい点は、まず、発声することで適度な運動ができること。それだけでなく、歌詞を認識しながら歌うために“脳トレ”にもなっていること。そして、ライフスタイルのひとつとして、ひとりでも大勢でも気軽に楽しめること。楽しく歌うことで、脳を刺激して、認知症の対策にもなる“歌のチカラ”を改めて見直し、日常に取り入れてみませんか。